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映画を1分ごとに区切って観てみた。

映画の評論、研究を行うブログです

劇場版魔法少女まどかマギカ新編 叛逆の物語を1分ごとに区切ってみた 後編

 

benio25250.hatenablog.com

ネタバレしかしていません。

2011年にテレビ版が公開されてから有名人や一般層も巻き込んだヒットを飛ばした魔法少女まどか☆マギカの続編である「新編叛逆の物語」個人的にも大好きな本作を今回は取り扱います。

 

 

そもそも叛逆の物語の前提は?

 この映画はテレビ版、または劇場版「魔法少女まどか☆マギカ」の続編であり、前の話が分かっていないとなかなか分かりづらい内容になっています。

しかも前作の物語も分かるような分からないような感じなので一旦僕の解釈込みで整理をしてみたいと思います。

 

・まどかってどんな神なの

テレビ版ではまどかは神的な存在になり世界の悲劇を自分を犠牲にして救うという選択をして終わりました。

ではまどかはどんな神なのでしょう。

まどかは世界を作っていないし、人間も作っていない、この時点でまず一神教の神ではない。

じゃあまど神様は何をするのか、

まど神様のやることは呪いの溜まった魔法少女を救う事です。

そしてこの事をほむらは新劇場版の冒頭のナレーションで絶望の因果からの解脱、と呼んでいます。

じゃあ絶望の因果からの解脱ってなんじゃらほいという話ですが

 

参考

第三回 現代仏教塾2 「初期仏教の輪廻思想」解脱とは何か?

www.youtube.com

 

早い話、生まれ変わりの輪廻から抜け出て二度と生まれ変わらない事が解脱。という事になります。

僕は生まれ変わりと聞けば80年代ファンタジーアニメや漫画で多用された生まれ変わったら選ばれし者でした!や実は選ばれし者の生まれ変わりでした!

現世ではヘボいけど生まれ変わったらすごい奴なんスよ!

現世ではヘボだけど実は生まれながらにしてすごい奴だったんスよ!

などフィクション特有の都合のいい物としてのイメージがあるのです。

しかし仏教では生まれ変わる事自体、苦しみに満ちている世界が現世であり、そこにわざわざ生まれ変わるというのはあまりポジティブではありません。

その現世に永遠に舞い落ちる、魔法少女から魔女への変化を繰り返す。

その理から抜け出てる事がほむらの言う所の「絶望の因果からの解脱」だと思われます。

 

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やたら円のイメージが多用される事からも輪廻を思わせ

つまりまど神様はソウルジェムの濁りが苦しみのサイクルが頂点に達した頃合いにやってきてその円から解脱させてくれる神。

という事になります。

 

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これに近いと個人的に思う神が阿弥陀如来や地蔵菩薩です。

 

阿弥陀如来は死んだ後、縁があれば誰でも助けてくれる神様で、地蔵菩薩は簡単に言えば空間を行き来出来る能力があるため賽の河原の子供を救ってくれます。

 

ここで注目したいのが「賽の河原」という地獄です。

賽の河原は簡単に言えば親より早く死んでしまった子供は儒教が混ざった後の仏教では罪であるとみなされます。

そこで石を永遠に積み、鬼に崩され、それを繰り返し続けるという罰を受けています。

つまりは永遠に同じ事を繰り返す地獄です。

 

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賽の河原

 

これはTV版ほむらの延々に戦い続ける実情や新劇場版のほむらの望んだまどかや仲間と一緒にナイトメアと戦い続ける世界に繋がり、その地獄から救いに来てくれるのがまどかとなります。

 

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絶望の因果から解脱させてくれるまど神様

 

更に言えばあのラストはほむらがまどかの救済を拒否し、散々まどかやさやかから「一人になるな」と忠告されていたのに一人に戦う道を選んでしまうあたり、無限地獄がほむらの日常や意義になってしまいその戦いの日々自体が、苦しんでいるんだ戦っているんだという実感が愛であると誤認して修羅道に落ちてしまったように僕には見えます。

 ・悪魔ほむらの何が悪なのか

公開当時僕はほむらが悪魔を自称した時、キリスト的な神の愛を独占せしめ、人間に嫉妬して悪に誘惑する悪だと思っていました。

 

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最近キリスト教的悪魔の「悪としての悪として働くので有名なのがダークナイトのジョーカーです。

 

しかし、よくよく見てみると冒頭のナレーションでまどかの救いを輪廻からの解脱と呼んでいたり、そもそもまどかが犠牲になる事を阻止するべきだったと決心する場面からその望みもまどかが人間の時に(解脱前、つまり業がまだあった時に)望んだであろうと

「ほむらが考える」まどかの幸せの成就でその為にまどかの一部を独占して近くに置いて置こうしたりとキリスト教的な悪魔とは何か違いがある様に感じました。

しかも、ほむらは悪魔化した後、わざわざキュウべぇを捕まえ魔法少女のシステムを残しています。

これは魔法少女が世界の負の部分である魔獣を浄化するのに必要だったからという面もありますが、まどかの決死の覚悟の結果生まれた円環の理が魔法少女がいなくなってしまうと救う相手もいなくなってしまうので無為になってしまうのを防ぐ為ではないでしょうか。

その結果まどかは一部は人間として家族と暮らし、一部は神として魔法少女を救うというまどかの幸せの両立を可能にしたのだと思われます。

 

キリスト教の悪魔は神に幸せになって欲しいとは思わないのでぼむらは仏教の悪の概念に近いのではないかと思います。

原始仏教での悪は僕らが考える「ある法則に則っているか?社会道徳に則っているか?」などの悪概念とは結構ズレていて端的に言えば悟りを開く事を阻む行為が悪だそうであります。

 

参考 

評論家、宮崎哲弥氏が仏教について語っている「つぎはぎ仏教入門」

www.youtube.com

 

以上の点から、

悪魔化以後、必死に神化を止めるほむらはまどかを助けたいと思う気持ちはあっても仏教では悟りを開く事(仏になってしまう事)を阻むほむらは悪になってしまう。

ほむらはそういう意味での悪でありキリスト教の悪魔の定義よりも仏教における悪魔に近いのではないでしょうか

 

・キュウべぇはなんだったのか。

キョウべぇの正体はインキュベーター、宇宙がエネルギー不足になってしまう事を危惧して少女を犠牲にしてエネルギーを集める。という事しています。

大の為に小を平気で犠牲にする存在でもあります。

僕がまどマギをまだ観てなかった頃、まどマギにハマった友達がキュウべぇがいかにクズであるかを力説していてその例えが「キュウべぇは女の子をソープに沈めるクズ」と例えていてえ面白かったので、それを元に一体キュウべぇとはなんだったのかを考えてみます。

 

見滝原の帝王〜宇宙ベンチャー起業の栄光と挫折〜 

キュウべぇは女の子をアイドル(魔法少女)にしてお金(宇宙エネルギー)を稼ぐベンチャー宇宙芸能プロダクション社長。

しかしそのやり口は最終的にアイドルをソープに沈めて(魔女化)して莫大な利益を取るという悪徳なものだった。

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男の為にソープに沈んだアイドルの例

 

しかし、宇宙的人気アイドルになれるポテンシャルと影響力を持つアイドル(鹿目まどか)が内情を暴露。

それによってどかは業界から干されてしまうが、

その働きによっ法律が改正円環の理による救済システム)

 

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おんどりゃああああ!!!こんなの絶対おかしいんじゃあああああ!!!!

み、見滝原の女神が吠えたあああああ!!!!

 

こうして不幸なアイドルがソープに沈められる事はなくなった。

(TV版、前劇場版)

アイドルをソープに沈める事出来なくなりキュウべぇの利益が大幅ダウン。

面白くないキュウべぇはアイドル(ほむら)を利用して法律を研究して抜け道を作ろうとする。

(新劇場版のほむらの内なる世界)

しかし、利用していたほむらがまさかの暴走。

法律の一部改正

(2回目の宇宙の書き換え)

それによってキュウべぇは思い通りにならないアイドル業界自体がハイリスクローリターンである事を悟り業界自体から去ることを決意。

しかし、2度目の法律改正の為、業界から抜け出すことも出来なくなってしまっていた。

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おんどりゃああああ!!!ワシの愛は希望より熱く絶望より深いんじゃあああああ!!!!

み、見滝原の悪魔が吠えたあああああ!!!!!!

 

こうしてキュウべぇは儲けも少なく、大変な仕事を任される様になり逃げることも出来ずボロボロになってしまうのだった。

(ED後のボロボロキュウべぇ)

\トホホ〜もう魔法少女はこりごりだ〜/

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こうしてみると難解なお話として語られますがポピュラーな悪玉が最後酷い目に遭う因果応報の要素も入っている勧善懲悪な部分もあったりします。

勧善懲悪的な娯楽映画の体を入れ込むあたり流石の脚本虚淵玄氏だとは思いますがここまでくると悪とは何か?の話になってしまっているのが面白いです。

虚淵氏にとっての悪とは他者を利用して利益を極限まで最大化、効率化する事が懲悪すべき悪なのでしょう。

・やっぱりほむらは悪なのか

ほむらが悪魔となる時、「この時をずっと待っていた」と言ってまどかを取り込みそこからの演出や言動はさも悪的です。

円環側のなぎさからも救いの手を不意にする行為するほむらのソウルジェムを

「呪いよりもおぞましい色に!」

とかボロクソに言われてしまいます。

 

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可愛い顔してボロクソ言います。

 

しかし、ほむらが実際に取った行動を抜き取ってみるとまどかがキュウべぇに現象になってしまったまどかが、観測され研究されれば、いずれ解明され操られるのと分かってしまった後の行動なので、まどか側に立ってさやか同様円環の使者として戦うよりも、第三勢力に立って定期的にルールを掻き乱して限りなく観測され辛くするという手は決して悪手ではないし悪でもないと思います。

過剰に悪ぶって悪魔を自称してみたり、使い魔にトマトをぶつけさせてみたりと内心で自分を責めている感じはな〜んか微妙に踏ん切りがつかない辺り個人的には結構好感が持てますが、

永久にひとりぼっちになる事を覚悟した行動は作り手も悪と設定してはいないでしょう。

例えるならば、泣きながら制止する妻を振り切り張り倒して妻を守るために命を捨ててカチコミをかける極道の親分と同じで意外に漢気溢れる行動に僕は見えます。

 

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妻の願いを聞かず振り切ってカチコミかける刃牙の花山薫の父

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漢には間違っていると分かっていてもやらなきゃならない時がある。

 

・叛逆の物語とまどか☆マギカの世界とは 

ほむらは後半、意識的には世界の為まどかの為テレビ版のまどかが勇気を振り絞り自分の存在を消してまで他人の為に神になった様にほむらもまた世界の為に消えようとした。

しかし、まどかに幸せになってほしいという真の想いは消える直前に噴出し、結果まどか本人も望んでいるか分からない人間としてのまどかの幸せを一方的に与えてそれを「愛」と評するエゴ側の位置に立つことによって神と悪魔の対比となったわけです。

個人的には虚淵玄さんの作品には個人的に少し成長して、大人になってみたらいままで予想していたものと全く違う世界がありそれに困惑するという展開が共通してあり、そこが一種の作家性になっていると思っています。

(まどかマギカにおける少女→魔法少女→魔女だったり、仮面ライダー鎧武においての青年→仮面ライダー→オーバーロードだったり、ガルガンティアにおける人類→ヒディアーズだったり)

そして今回魔法少女まどか☆マギカの世界である特徴は感情的な本音を隠していたり、心の内にもっていたりすると魔女化したり魔獣化する世界で、逆に感情的な本音を表に出すと別の形で昇華する特性があります。

マミさんは本当の友達が欲しいという願いがかなった瞬間死に、

京子も他人の為に魔法を使いたいという願いが叶った瞬間さやかと共に消え、

まどかも全ての魔法少女を救いたいと願い、概念と化して消え、

ほむらもまどかの人間としての幸せを願って悪魔と化しました。 

内面の物をため込むといい事ないし、かといってすべて出し切ってしまうと現状の今の自分ではいられない。

そういう構造をもっている様にみえます。

今回の劇場版で物語で一番報いを受けるのは人の感情を利益を追求して暴き、効率化して自分の利益を最大化しようとするキュウべぇでした。

そして、まどかの為と本当の心を隠して悪魔になり、ひとりぼっちになってしまったほむら。

EDではまどかとほむら二人手を取り合って走ってゆきます。

続編の話もあったりなかったりするみたいですが、あると信じて待ちたいですね。

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最後に個人的に感じた一番の萌えポイント。

改変された世界で一瞬登場のマミさん

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やっぱり一人で登校している点と、極度の内股がガニ股っぽい点がかわいい。

 

「劇場版魔法少女まどかマギカ新篇 叛逆の物語」を1分ごとに区切ってみた 前編

ネタバレしかしていません。

2011年にテレビ版が公開されてから有名人や一般層も巻き込んだヒットを飛ばした魔法少女まどか☆マギカの続編である「新編叛逆の物語」個人的にも大好きな本作を今回は取り扱います。

 

ミニッツライナー

 

1.ほむらのナレーションから始まる。あの懐かしい笑顔と再び巡り合う事を夢見て…

2.ナイトメアを追いかける魔法少女のまどか

3.ナイトメア浄化の歌、まどかの笑顔、ティヒ!

4.まどか目覚める

5.まどか朝食を食べる

6.まどか家族と雑談、転校生が来るんだって!

7.まどか登校

8.OP開始

9..OP終了

10.まどか、さやか、杏子、3人で登校
11.先生、教室で世界の終わりについて語る

12.ほむら転校してくる

13.マミ、ほむら、まどか、さやか、杏子で自己紹介、魔法少女である事を明かす

14.時間が1ヶ月経つ、ほむらとまどか2人で話す。

15.ほむら「こうしてまどかと過ごせるのをずっとずっと待ってた気がする」

16.ワカメと上条くんが電話をしている、ワカメ上条くんをデートに誘う

17.ワカメ、ナイトメア化

18.ナイトメア出現、マミさん出動

19.さやかと杏子合流、上条くんの号から解放されたさやか

20.魔法少女変身!

21.変身中…

22.変身完了!ピュエラマギホーリークインテット!戦闘開始

23.チームプレイを活かした攻撃 

24.ケーキの歌が開始、ケーキ♪ケーキ♪

25.べべに悪夢を食わせる

26.ワカメ浄化

27.お茶会(打ち上げ)をしに全員でマミさんの家に帰る

28.登校中、違和感を感じ始めるほむら

29.昼食を食べるほむらとまどか

30.今の世界は幸せである事を話し合う

31.杏子に相談するほむら「何かおかしいと思いませんか?」

32.記憶が曖昧な杏子

33.風見野市へ行ってみませんか?街の外へ確かめに行く 

34.風見野へバスで向かう

35.風見野市へ辿り着けない

36.何度やっても風見野市へ辿り着けない

37.歩いても風見野市へ辿り着けない

38.街の異常が確信になるほむら

39.ほむらメガネを外してVer2ほむらへ、杏子「そっちの方がしっくりくるくらいだ」

40.魔女の事を思い出すほむら

41.魔女もまどかも完全に思い出すほむら

42.魔女の語り、魔女は魔法少女の成れの果てである

43.マミさんの部屋、べべを疑うほむら

44.マミさん「もう肩の力を入れる必要がなくなった」パートナーを得てTV版の業からは解放されたマミさん

45.マミさん「私が望んでた世界なのかもね」

46.時間を止めべべを尋問するほむら

47.マミさん、ほむらを止める為、立ちはだかる

48.べべを逃がそうとするマミ

49.戦闘開始マミさんVSほむら

50.銃弾が飛び交う戦闘、ほむら「根競べなら負けない!」いちいち気の利いているセリフ

51.ほむらとマミさんの息遣い、お互い疲弊している、時間が一度動く

52.マミさん「埒があかないわよ」自分の頭を撃とうとするほむら、スキを突いてマミさんを止める事に成功

53.マミさんを撃とうとするが撃てない、マミさんの足を打つ

54.弾丸がマミさんに当たった瞬間、マミさんリボンに変化、捕まってしまう、会話の中で記憶の食い違いに気づくマミさん
55.人間態のべべが登場

56.さやかに助けられるほむら

57.さやかとほむら会話をする

58.それってそんなに悪い事なの?さやかに問われるほむら

59.魔女化して導かれたさやかやべべが存在する事がおかしいと気付くほむら

60.時を止めるがさやかに逃げられるほむら

61.ほむら、今までの整理をする

62.ほむら「戦いづつけなければならない、それが奇跡を願った対価」

63.ほむら、まどかに会いに行きまどかが犯人でない事を確かめる、まどか「ひとりぼっちになっちゃだめだよ」

64.私だけがまどかを覚えているのは辛い、寂しい、ほむらの独白

65.私にそんな辛い決断出来ないよ、まどかの独白

66.まどかを犠牲にすべきではなかった。ほむら、まどかが髪を結って戻そうとする事を拒否する

67.あなたは本当のまどかだわ、まどかの疑いが晴れる

68.ほむら、杏子に電話最後の確認

69.これで分かったわ…魔女の正体が分かるほむら

70.ほむらバスに乗りソウルジェムを手放す

71.壊れ始める世界

72.「私が魔女になっていたなんて!」自分が魔女であった

73.キュウべぇ話始める

74.キュウべぇ、ほむらを現実から遮断して魔女化させていた

75.「ここはね、ソウルジェムの中の世界」
ネタばらし

76.神まどかは遮断された世界でもほむらを救おうとしていた

77.「この宇宙と一切因果関係のない存在鹿目まどか」まどかへの興味が尽きないキュウべぇ

78.まどかに助けを求めるといい」しきりにまどかを呼び出させようとするキュウべぇ

79.キュウべぇの目的はまどかを観測して支配することだと分かる 
80.ほむらは導かれる事によってまどかは観測される「そんな幸福は求めてない!」

81..ほむら遮断フィールドの中で魔女化して魔法少女に倒される事によって消滅する事を選ぶ

82.魔女になってゆくほむら

83.魔女化し自分の中の絶望を知る

84.魔女となって暴れるほむら、キュウべぇほむらを倒す事を阻止しようとする

85.魔法少女たちと魔女ほむらとの戦闘

86.さやかとべべ、円環の理の使者である事を明かす

87.さやかとべべはまどかに記憶を返す事が使命だった

88.魔女ほむらとの戦い「私はこの世界で死ななきゃならないの!」

89.杏子とさやかの会話、お別れを言い合う

90.杏子とさやか2人タッグでの戦闘

91.遮断フィールドが崩れてゆく

92.魔法少女のまどか「ひとりぼっちにならないでって言ったじゃない」

93.「もう私はためらったりしない」何かの覚悟を決めたほむら

94.遮断フィールドが破壊され現実へ戻ってきた一行

95.神に戻ったまどか、ほむらを導こうとする

96.「この時をずっと待ってた」まどかを取り込もうとするほむら

97.「もう2度とあなたを離さない」ほむら、まどかを引き裂いてしまう

98.世界を書き換えるほむら

99.まどかの為に戦い続ける事が愛であると気付くほむら

100.自分を悪魔と自称するほむら

101.キュウべぇ人間は制御出来ないと悟るが悪魔ほむらに捕まってしまう

102.登校するマミさん、前とは少し変わった世界になっている

103.使者としての記憶が消え人間になり始めるさやか

104.話しながら、使い魔にトマトをぶつけさせるほむら

105.人間になるさやか、上条と付き合うワカメに嫉妬するが強がる

106.転校してくるまどか、学校を案内するほむら

107.廊下を歩くほむらとまどか、「あなたはこの世界が尊いと思う?」

108.円環に戻ろうとするまどか、それを必死で止めるほむら

109.まどかにリボンを返すほむら、「私はあなたが幸せになる世界を、望むから」

110.変わった世界でさやかと杏子と下校、マミさんはべべと買い物、まどかは家族と過ごしている

111.ED開始、左半分がまどか、右半分がほむら

112.まどか側の背景が野原、ほむら側の背景が街になる

113.画面に手が出てきて繋ごうとするが逸れる

114.ほむら側の街に雨が降り始める

115.まどかとほむら手を取り合って走ってゆく

116.半分のイス、半分の月、やたらと半分が強調される場所で踊るほむら、ボロボロになっているキュウべぇ
おわり。

構成について

まどマギの映画を観た感想で分かりにくかったとよく耳にしますが、構成だけ抜き出してみると整理されています。

1.主人公ほむら世界に作られた世界に違和感感じる。

(約0~30分の約30分)
大体120分のエンターテイメント映画は約30分毎で何かが起きていると言われていますが、叛逆の物語の場合は
約30分でほむらが閉じ込められた世界に違和感を感じその謎を解こうを動き始めます。

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2.ほむら、実はこの作られた世界を作り出しているのは自分だったと気づき魔女化する

(約30分~70分の約40分)

ほむらがきゅうベェに隔離され、自分が魔女になりかかっていることに気づき、魔女となりまどかたち魔法少女に倒される事によって滅びる道を選びます。

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3.ほむら悪魔化、世界を書き換えてしまう

(約70分~95分の約25分)

ほむらが悪魔化、神になったまどかの一部を引き裂いて強制的にまどかの一部を人間に変え、人間としての幸せを選ばせます。

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ED後

最後に変わった世界で1人で踊る世界で1人で踊るほむら、ボロボロのキュウべぇとお見送りまである。(映画のこのお見送りは漫画で言う所の表紙裏のオマケ漫画みたいで物にもよるけど僕は好きです。)

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 プロットについて

話の流れは一つは娯楽映画としては作られた世界があり、その世界を作ったのが誰なのかを話の推進力にしつつ、その結果どんな意外な結末を迎えるのか!?
という流れを取っています。

どっかのビューティフルドリーマーみたいな話ですね。

 

物語としてはテレビ版(または劇場版2作)で魔法少女が魔女になることがなくなり、神になる前のまどかを唯一知るほむらが、自分を犠牲にして、まどかにほむら自身がの望む幸せを与える話です。

この映画ですが構成はすごく上手いと僕は感じます。

例えば、冒頭ほむらのナレーション
「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、この救いようのない世界で…あの、懐かしい笑顔と、再び巡り会うことを夢見て…」からナイトメアの歌に繋がり、まどかのティヒ♪という笑顔に繋がる。
冒頭約3分、たった3分でこの劇場版がどんな話で、誰が何を求めている話なのかを映像で演出をしてるあたりこの映画の信用出来る感が素晴らしいです。
正直シビれます。

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この映画は誰が何を求める映画なのか




次に気になったのは各登場人物の目配せの上手さです。
端的に言えば愛があります。

今回まどマギの中では時間はほむらの内面描写にかなり時間を割かれています。
しかしながら各魔法少女のTV版、前劇場版の因縁に対して無かった事にせずに続編として引き継いで描写されています。

例えば、さやかちゃんの場合は円環の使者としていた時は「人生経験の差だからね〜」と上条くんとの恋沙汰に関する因縁は昇華された状態にありますが、物語が進んでほむらが悪魔化して人間に戻って来てしまった時は昇華したはずの感情が戻って来て上条くんとワカメのカップルの前で強がりを見せるという描写がありきちんと物語が進んだ事による変化を描いています。
更にマミさんで言えば、ひとりぼっちで戦っていた事に問題を抱えていたのがべべの出現によって救いを得て、更にほむら悪魔化以後ては、人間になったべべと買い物をしています。
杏子もTV版、前劇場版では魔女化して話の通じなくなったさやかと滅んでしまいましたが、今回はきちんとさやかにお別れと言っていますし、ほむら魔女化以後では改めてさやかと友達になっています。

セリフにしても散々時間移動で戦い続けてきたほむらが「根競べなら負けない!」と言っていたり、杏子がさやかに「胸くそ悪くなる夢を見たんだ。あんたが死んじまう夢を」と言っていたりいちいち気が利いています。

 

混乱の理由は何か?

この叛逆の物語の一番の混乱ポイントはほむらの悪魔化でしょう。

ほむらは後半、魔女化して一旦滅びを選びますが、その直後に悪魔化してセリフとしても「ずっと待っていた」とあたかも計算していたかの様な事を言います。話が飛んでる訳です。

この論理の飛び具合に「ああ…やっぱりな」と共感出来るか「んん~?ちょっとまって??」となってしまう化によって極端に評価が分かれる作品になってしまった訳です。

 

後半はその問題を含めた叛逆の物語の考察を書いていきます。

 

benio25250.hatenablog.com

細田守監督、初劇場版作品「デジモンアドベンチャー」を1分ごとに区切って観てみた。 後編

 

benio25250.hatenablog.com

 

 

ネタバレしかしていません。
というか20分の映画なので是非観てください。
本当にオススメです。

物語としての工夫

物語の構造、キャラクター、内容の工夫を見てみます。


怪獣と子供

今作の主人公はテレビ版の主人公、八神太一6歳とその妹ら八神光3歳です。
この2人が怪獣であるデジモンと、どう関わるかが劇場版デジモンアドベンチャーのテーマと言えるでしょう。
面白いのは光と太一、それぞれで怪獣に対する関わり方が違う事が挙げられます。

まずは八神光、
光ちゃんは3歳で首からホイッスルを下げています。
このホイッスルを吹くことで兄の太一とコミュニケーションを取っています。
おそらくこれはおしゃぶりの代わりで、おしゃぶりをを卒業させる為にお母さんが与えた物と推測できます。
つまり光ちゃんはちょっとだけ成長が遅い甘えんぼうな子なわけです。
そんな子がデジタマを見つけ、ボタモンと意思疎通をして、コロモンとはすんなりお話が出来ています。
つまり光ちゃんにとって怪獣であるデジモンはお友達、よく言われるイマジナリーフレンドのメタファーである訳です。

イマジナリーフレンドとは

dic.pixiv.net



そしてイマジナリーフレンドのデジモンは時間が経つにつれてどんどん姿を変え、大きくなってゆき、自分の手には負えなくなってきます。

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光「もうお話してくれないの?」

そして最後に消えてしまったデジモンを彼女はコロモンの名前を泣きながら呼んで、
一度イマジナリーフレンドであるデジモンとお別れをします。

これが光のデジモンアドベンチャー前日譚となります。
その後、光はアニメ版で自分のパートナーであるテイルモンと出会い、冒険をして最後にテイルモンに宝物であるホイッスルを渡し、改めてお別れする事でイマジナリーフレンドから別れ成長します。

イマジナリーフレンドがメインテーマの映画は「テッド」
いい歳こいてイマジナリーフレンドのクマのぬいぐるみから卒業出来ないおっちゃんが主人公で、
こちらはイマジナリーフレンドを受け入れ、共に暮らすという別の着地をしています。

 

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現実でも怪獣でなくてもイルカ療法や猫カフェの様に動物と触れ合うと心の癒やしや成長が促される心の触れ合いを提供する場所がありますね。

残念ながら僕が1番触れ合ったイルカはコイツです。

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では、八神太一にとって怪獣とは何でしょうか。
劇中、一緒に散歩に出てしまった光と対照的に理性的な行動を見せます。
朝起きた時もお母さんは6歳の太一と3歳の光を残して出かけてしまいます。
相当太一くんがしっかりしていないと出来ない事です。
現に太一くんは自分と光と猫のミーちゃんの朝ごはんを用意します。
(※子供だけで家に置いとくのはアメリカでは犯罪らしいです。)

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6歳にして主夫の片鱗を見せる太一。

太一は突然現れたボタモンに警戒するし、猫に負けるコロモンにツッコミをいれるし、アグモンに進化していなくなってしまった光を探しに行きます。
つまり外に勝手に出てしまう本能側デジモンや光に対して理性側を太一は請け負うわけです。

ここで面白いのが本来、子供や幼児は無秩序な怪獣として描かれる事が多いのです。
代表的なのはピクサーの映画「モンスターズインク」です。
モンスターズインクではモンスターの世界に迷い込んだブーが無秩序に暴れサリーやマイクを引っ掻き回します。
本物のモンスターが比喩であるモンスターに振り回されるという滑稽であり微笑ましい描写がなされているわけです。

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話をデジモンに戻すとデジモンのアニメやゲームでは子供達はテイマーと呼ばれデジモンに指示を出す役割を担うわけです。
これは理性的に不完全である子供が理性役を半強制的に任される事によって成長せざるを得ないドラマを生む構造を作っているのです。
つまり八神太一にとって怪獣とは無秩序の象徴と考えられます。

そしてそれは物語のラストに、グレイモンはパロットモンに火を噴きパロットモンを倒す所に現れます。
デジモンの世界の成長はボタモン、コロモンは幼年期、アグモンは成長期、グレイモンは成熟期、そして敵のパロットモンは完全体と進化してゆき。分類されます。

つまりパロットモンの方が一回りグレイモンより強いのです。
パロットモンの電撃を受けて気絶してしまったグレイモンの窮地を救ったのは太一が光のホイッスルを吹いてグレイモンを目覚めさせ、最後に太一はグレイモンに向かって「撃て!」
と指示を出します。
つまり不完全なもの同士が偶然にもお互いをカバーした結果、自分たちの能力を超えて自分たちよりも強い完全体であるパロットモンを倒すのです。

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太一「撃て!」


子供による子供の為の怪獣映画

この映画の特徴的な演出として親の顔を出さないという演出があります。

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酔って帰ってきたお父さんも出かけてゆくお母さんも顔が出ない

そしてこのグレイモンとパロットモンの戦いを見ているのも団地に住んでいる子供たちだけです。
これはこの映画が一体誰のために作られているのかを明確に示しています。
そしてこの映画内でこの戦いを目撃した子供たちは3年後TV版デジモンアドベンチャーの選ばれし子供たちとしてデジモンたちと冒険をする運命になります。

これは僕は細田守監督が何かすごい体験をした子供がいずれその影響を受けてそのすごい何かを受け継いでゆくというメッセージであると感じます。
そしてそのすごい体験は決して大人の為ではなく、大人から与えられるものでもなく、偶然居合わせたものにすげぇ!と体験するものたのだと

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後に選ばれし子供になるヤマト「すごい!」

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太一「す、すげぇ…」

このすげぇ!という体験を映画を通して伝えたかったのではないでしょうか。
この子供の為に向けられたメッセージを僕は子供の時にもろに浴びたため未だにデジモンのゲームやってたりします。

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すごい…!
のか?

余談ですが僕がこのデジモンアドベンチャーの映画を見に行った時、田舎だったので抱き合わせの映画としてアニメ映画が何本も合わせて上映されていました。
その時一緒に上映されていたのが
「劇場版カードキャプターさくら」
この映画のラストがさくらが小狼に告白するラストで当時、10歳だか9歳の僕は何故か小狼に猛烈に嫉妬したのを思い出して、当時からアニメや映画にに心奪われるの片鱗があったのだなと、なんだか切ない気持ちになりました。

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太一「撃て!」
( °∀°)「ファーオ!」

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さくら「小狼君!だーいすき!」
(((;°皿°)))「・・・!」

 

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細田守監督、初劇場版作品「デジモンアドベンチャー」を1分ごとに区切って観てみた。 前編

 

7月11日細田守監督最新作が公開ということで
僕の中で世代であり、どんな怪獣映画が出てきてもこの映画には勝てないと思えてしまうそんな思い出深い映画
「劇場版デジモンアドベンチャー」のミニッツライナーをやってみました。

ネタバレしかしていません。
というか20分の映画なので是非観てください。
本当にオススメです。

ミニッツライナー

0.東映、TOEIANIMATONの文字に長靴をはいた猫、バックで怪獣の鳴き声

1.ボレロがかかるPCを見つめる光、トイレに起きる太一

2.PCからデジタマ出現、カット、朝起きる太一、出かける母

3.目玉焼きを作る太一、イスに座ってデジタマを離さない光、ご飯に集中してデジタマを落としてしまう光

4.転がるデジタマ、太一の部屋でデジタマからボタモンが生まれる、警戒してベッドの下に逃げるボタモン

5.太一、ボタモンにスリッパを投げる、びっくりして泡攻撃、光ホイッスルでボタモンとコミュニケーションをとる

6.ボタモン、コロモンに進化する。ウンチするコロモン。

7.光からネコのエサを与えられるコロモン、食べるコロモン、ネコが怒って襲いかかる逃げるコロモン

8.コロモンと会話する光、コロモン喋れる事が分かる

9.夜、電子機器が狂い出す

10.太一のお父さん帰宅、コロモン、アグモンに進化する

11.光、アグモンの背中に乗る、アグモン窓を破壊して外に出てしまう

12.光、アグモンと夜の散歩、トラックに轢かれかけ、トラックに向かってベビーフレイム攻撃、外す

13.光を探しに飛び出す太一、空を飛んでいる飛行機に向かってベビーフレイムを飛ばすアグモン

14.空にデジタマが出現、中からパロットモンが現れる、アグモン攻撃

15.パロットモン、アグモンに向かって電撃攻撃、歩道橋を破壊、下敷きになるアグモン、太一、光

16.アグモン、グレイモンに進化!太一と光を守る、グレイモンの攻撃、パロットモン羽根が吹き飛ぶ、ヤマト「すげぇ!」

17.太一「すげぇ!」ぶつかり合うグレイモンとパロットモン、パロットモンの電撃攻撃に吹き飛ばされるグレイモン

18.気絶するグレイモン、ホイッスルで呼ぶ光、光のホイッスルをら目一杯鳴らす太一

19.グレイモン最後の一撃、太一「撃て!」
消えてしまったグレイモンとパロットモン、コロモンを呼び続ける光

20.太一「だから、僕は今ここにいる」グレイモンと再会した太一、グレイモンを抱きしめるED

構成について

大きく分けると序盤、本格的な怪獣アグモンになるまで10分
中盤、敵であるパロットモン出現に4分
終盤、怪獣バトルが5分
送り出しに1分
という4構成になっています。

1.謎の怪獣デジモンの出現

(0~10分の約10分間)
謎のタマゴ、デジタマから生まれたボタモンが太一と光を交流し進化し、本格的な怪獣アグモンになってしまいます。

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2.コロモンの進化

(10分~14分の約4分)
進化して意思疎通の不可能になったアグモンと光は街を徘徊、敵であるパロットモンが出現します。

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3.パロットモンとグレイモンの戦い

(14分~19分の約5分)
アグモンとパロットモンの対峙、アグモンは太一と光を守るため、グレイモンに進化し大怪獣バトルが始まります。

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4.デジモンとの別れと冒険の始まり

(19分~20分の約1分)
戦いが終わり、デジタルワールドでグレイモンと太一は再開し、テレビ版へ繋がる所でEDに入ります。

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プロットについて

どこからか子供の元に謎の怪獣がやってきて、もう一体の謎の怪獣と戦い、消えてしまう話になっています。


20分と言う非常に短い時間でありながら濃密で何よりカッコいい。
時間配分を見ても異常によくできています。

細田守監督初の劇場公開映画であり翌年の2000年には「デジモンアドベンチャー僕らのウォーゲーム」が公開されその後
「時をかける少女」
「サマーウォーズ」
「おおかみこどもの雨と雪」
そして最新作「バケモノの子」
を監督して有名アニメ監督になってゆく細田守監督の原点的な作品です。

脚本はデジモンシリーズやけいおん!シリーズ、最近ではガールズ&パンツァーなどを手がけている吉田玲子さん。
世のオタクはこの人にどれだけお世話になっているんだと思うほどの脚本家です。

この映画がとにかく大好きで子供の時に町の公会堂で色んなアニメ映画との抱き合わせでこの映画を観たとき正直シビレました。

現在でもポケモンやらデジモンや妖怪ウオッチなどが好きな理由はこの映画にあるのかもしれません。

次はこの映画を通じた子供と怪獣の関係について書いていこうと思います。

 

 

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「映画けいおん!」を1分ごとに区切って観てみた。後編

物語としての工夫

物語の構造、キャラクター、内容の工夫を見てみます。

映画けいおん!は何を描いていたか

けいおん!のテレビ版は非常にゆったりとした彼女たちの学園生活を丁寧に描くことによって最終話ではこの幸せな学園生活は卒業という変化によって終わりを迎えるのだという物語を描いたことによって評価を得て、またブームになったアニメでした。

 

今回の劇場版はそんなテレビ版の間の物語を描いています。
つまり唯たち3年メンバーが卒業する事、そして残されるあずにゃんの為に曲を贈ることは既にテレビ版でやったことです。
加えて今回のロンドン旅行で描かれるピンチは大本のあずにゃんへの曲作りには直接関係のないピンチばかり(あずにゃんの靴擦れ、回転ずしでの勘違いライブ、唯のレズ疑惑など)でそこまでピンチとして推進力はありません。

 

物語の弱点としてゴールがすでに見えている。先がもう決まってしまっている。という構造を持った話作りをしている訳です。
しかしそのゴールに至る過程を丁寧に丁寧に描く事によって新しいロンドン旅行というエピソード、曲を作るために試行錯誤したディテールをまた楽しむ事が出来るようにしてあるように思えました。

劇場版で再確認したけいおん!の魅力

すばらしい人間関係

冒頭彼女たちは「バンドが音楽性の違いで揉める」ごっこをしています。
自分たちのやりたい音楽や歌詞の是非について彼女たちが揉める事は殆どありません。
加えて彼女たちからすればケンカですら人間関係を高める遊びになってしまっていることから、互いを認め合いくだらないけど面白いギャグを連発し、が本編ずっと続くつまりこの人間関係で行われるいちゃつきがこの作品の大部分の物語の推進力となっていると思います。

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唯のくせに!唯のくせに!唯のくせに!

キャラクターの動きやセリフから見える愛

加えてキャラクターの台詞ややりとりも非常に面白い物で特に冒頭OP後の約7分の地点では先ほどの「音楽性の違いごっこ」の反省会をメンバーでするのですが、ここは初見の観客に向けてのけいおん部メンバーの現在の状況説明のシーンです。
具体的にはけいおん部はいい加減な部であること、3年メンバー卒業を控えていることが説明されています。

 

セリフではこれまでの思い出を語りつつ3年メンバーの卒業の話題を話しています。

キャラクターの動きを見てみます。

 

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袋が空けけられなくて踏ん張るムギ

バームクーヘンの袋を空けようとするのを手伝おうとする澪

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後輩に大学に受かったのは奇跡だと言われて泣き真似をする律

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唯のハサミのイタズラに呆れるあずにゃん、かわいいでしょ!と得意げな唯


と非常にバラバラに動いていてそれがそのまま動作がキャラクターの性格説明になっています。

こうしたキャラクターの細かい動きをこれでもかこれでもかと全編通してやり続けているのでキャラクターの動きだけでも非常に情報量が多いです。

演出の丁寧さ

冒頭のバームクーヘンの袋を空けた後、顧問の先生である澤ちゃんが登場し卒業について感慨深い思いを語ります。

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あっという間だったわねぇ、もう唯ちゃんたちが卒業なんて。と澤ちゃん

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それに対してピクッと反応し下を向くあずにゃん

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引きで全員を見せる、1人だけ寂しそうな表情を見せるあずにゃん

 

こんなに繋がりあったメンバーだからこそ、あずにゃんだけは3年メンバーの卒業を内心快く思っていないのが分かります。
このように細かい演出を丁寧に丁寧にやり続けます。

友人に指摘されて気づいたのですが、唯たちがあずにゃんの曲を作っている時にアイデアが浮かばない唯は悩みますが、それを鳥をメタファーとして表現しています。

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ロンドンにいる間、鳥がアイデアが浮かばない時は鳥が止まっています。

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ロンドンでの野外ライブで自分たちはそのままでいいんだと気付きを得た瞬間、鳥が唯の目の前をバタバタと羽ばたくことで気付きます。

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そして、曲の重要な「天使」というフレーズも風が吹いて鳥が飛翔する様子を見て閃きます。
アマチュアバンドの唯ちゃんはアイデアを効率的に出す作業を知らないので周りに鳥がいても気付きません。

しかし、ふとした体験を通じて周りから閃きを得てゆく過程が演出によってなされていると友人に言われて驚きました。

 

ラストの送り出しの場面ではさらに卒業後の彼女たちは未来に対して希望に溢れていて、来年はどんなどんな楽しい事が起きるのだろうと希望を投げて終わっています。

全体的にこの映画は娯楽映画としてサービスが多く、キャラクターも愛らしく、ラストまで気が利いていて非常に良心的であるなと感じました。

ちなみにこうして映画本編を観た後に劇場版けいおんの予告を見ると少しでも面白くなるようにバレバレのニセピンチを入れ込んでいるのも個人的には好きです。

www.youtube.com

 

「けいおん!」はいわゆる日常系の到達点と言われるアニメですが、社会的な背景の他にも作り手の細かいサービスに加え長く終わりのない日常に思えた物語として日々の一旦の終わりを描いた事によってそれが魅力的であれば魅力的であるほど終わりの間際の切なさ、感動が高まりまるので他の日常系アニメではなく、けいおん!がブームになったのはそこが要因の一つではないかと思います。

 

「映画けいおん!」を1分ごとに区切って観てみた。前編

ネタバレしかしていません。

未見の方は深夜アニメでありながらブームとなったアニメ「けいおん!」の劇場版を是非ご覧ください。

ミニッツライナー

0.松竹ロゴ、京アニロゴ

1.唯の部屋、眠っている唯、目覚ましが鳴る、止める「KーON!!」ロゴ

2.朝、登校している生徒たち、音楽室で演奏(?)する軽音部、音楽室に向かっているあずにゃん

3.あずにゃん音楽室到着、音楽性の違いで揉めている軽音部「解散!?」

4.空気を変えようとババ抜きを提案するあずにゃん、唯「あずにゃん!後で。やろう。」

5.ラジカセでエア演奏していることがあずにゃんにバレる、ムギ「じゃああずさちゃんが来たことだし」唯「お茶にしよっか。」あずにゃん「え?」

6.タイトル「劇場版けいおん」OP開始

7. 「いちばんいっぱい」 音楽に合わせて動くキャラクターたち、25秒OP終了

8.デスデビルごっこの反省会をする軽音部、呆れるあずにゃん、がペースを握られてしまっている

9.バームクーヘンを食べながら一緒の大学に入れた事を喜ぶけいおん部一同、さわちゃん登場

10.留年してるかもよ〜と脅かしをかけるさわちゃん

11.ゴミ捨てをしている3年メンバー、唯がこのままでは先輩としての威厳がないまま卒業してしまうといいなにか先輩らしい事をあずにゃんにしてあげたいと言い出す

12.話した結果、あずにゃんに何かをプレゼントするもあずにゃんが来てしまい焦って誤魔化す3年メンバーたち

13.あずにゃんの同級生で妹の憂に相談するも、もうちょっとしっかりして欲しいとピンとくる答えが得られない唯

14.あずにゃんのプレゼントに何をあげるか、部屋で独り悩む唯「なにが欲しいんだ〜!」

15.登校日に学校に集まる3年メンバー、あずにゃんのプレゼントの話をしながら教室に入る

16.クラスメイトたちが卒業旅行の話をしていてそれに興味を持つ唯、それに対し部長の律「だーめ!他所は他所!うちはうち!」

17.気が変わって猛烈に旅行に行きたがる律、それに対し説教する澪、律「ちょっとくらいいいじゃん!けち!」

18.あずにゃん部室へ、突然のあずにゃんの登場に焦る3年メンバー、ムギ焦って卒業旅行に行く話をしていたと言って誤魔化す

19.あずにゃんを誤魔化すうちに、そのまま話がズレて卒業旅行に行くことになってしまったけいおん部

20.行き先をあみだくじで決めようと提案する唯、ヨーロッパに決定!があずにゃんに怪しまれる

21.ズルをしていた事がバレる唯、顔に変な顔の似顔絵を貼られる罰を与えられる

22.公平にけいおん部のペットのスッポンモドキのトンちゃんにきめてもらうことに、見つめるけいおん部一同、が興味のないトンちゃん

23.みんなが飽き始めた頃、トンちゃんロンドンを選ぶ、澪「やった〜〜〜!!!」と尋常じゃない喜びよう

24.旅行にあずにゃんを誘う3年メンバー行きたいけど遠慮がちなあずにゃん

25.あずにゃん旅行に行くことを親に報告する、一斉に親に報告し始める3年メンバーたち、あずにゃん「私がしっかりしよう」

26.自宅で友達ののどかとお茶を飲んでいる唯、ロンドンに行く事と本当はイギリスに行きたかった事を話す、のどか「唯、ロンドンってイギリスよ」唯「え?」

27.旅行会社で予約を取るけいおん部一同、旅行会社で行き先について盛り上がりツアー旅行ではなく個人旅行にする事に

28.音楽室に向かう唯、その途中オカルト研究部と出会い、お土産何がいいかを聞く「ネッシーの写真」と言われそれを間に受けてしまう唯

29.みんなの意見を聞いて旅行の計画を立てるあずにゃん

30.あずにゃんとさわちゃんを早めに帰して、プレゼントの会議をする3年メンバー

31.あずにゃんの忘れていったギター「ムスタング」に聞いてみようとムスタングにイタズラする唯

32.イタズラした拍子にムスタングが倒れてしまいそれを受け止めたのがきっかけでインスピレーションが湧いた唯「むったんが曲って言った!」

33.あずにゃん、ムスタングを取りに戻ってくる、慌てふためく一同、その様子に怪しむあずにゃん

34.3年メンバーたち、帰宅後あずにゃんの曲を作ることに対してメールで連絡を取り合う

35.ロンドン旅行の前日、準備をする唯、いよいよ当日家族に見送られて家を出発する唯

36.駅で律、澪、あずにゃんと合流、ムギのいる駅へ向かう

37.空港に到着、混み合っているので荷物を預ける事に、空港ではしゃぎまくるけいおん部一同

38.機内に乗り込む、旅のわくわくを語り合う一同

39.いよいよ離陸、唯「あずにゃんムービング〜!」

40.唯、あずにゃんと英語で聞かれるであろう機内食に備えて日本語禁止ごっこを始める、が機内では日本語がバリバリ通じてがっかり

41.少し時間が経ち機内が暗くなり眠っている一同、唯の寝相が悪くあずにゃんを起こしてしまう、その拍子にあずにゃんへの曲のアイディアノートを見られてしまう

42.あずにゃんがノートを見ているのに気がついて飛び起きる唯、人生について考えていたと苦しい言い訳をする唯、あずにゃん「アウトローでスケールでっかいロックな唯先輩って。。。」

43.ロンドンに到着、入国審査を受けるけいおん部一同、子供と間違えられるあずにゃん

44.澪の荷物が受け取り口に流れてこない、青ざめる澪、がすぐ近くに置かれていた

45.タクシーを拾い、まずは予約を入れていたホテルアイビスへ向かう、うんてんが思ったより乱暴

46.ホテルアイビスに到着、唯車酔い

47.ホテルアイビスにチェックインしようとするも予約が取れていない、なんとか受付とコミュニケーションを取り対応してもらう、別のホテルアイビスだったようだ

48.今度は地下鉄で行こうと決める一同、あずにゃん張り切って新しい靴で来たので靴擦れを起こしてしまう

49.あずにゃんの靴を買うついでに観光する事にした一同、無事あずにゃんに合う靴を買う、そこで回転寿司の店を発見する

50.お寿司を食べようと入店、がなにやら身体のデカい店長に話しかけられる、とっさに「YES」と言ってしまう唯

51.何故か知らない間に演奏をするような雰囲気に、ムギ「なんてこと!」と店員に意見を言いに行く、キーボードを準備させるムギ、律「って、違うじゃん!」

52.演奏するしかなくなったけいおん部、緊張して目が泳ぐ唯

53.チューニングする一同、チューニングする時間がないと焦るあずにゃん

54.演奏がを始める「カレーのちライス」音楽にノッてくれるお客さん

55.演奏終了、店長にものすごく感謝されるが結局お寿司は食べられず退店

56.店の前で何がどうなっていたのかを話し合っていると律の友達のバンド「ラブクライシス」に出会う

57.ラブクライシスと間違えられていた事がわかり、ラブクライシスと別れ、ホテルにチェックインする

58.部屋で制服を来て記念写真を撮っている、律、ムギ、澪、お風呂から上がった唯、ドライヤーをそのままコンセントに挿してしまい火花を散らせてしまう

59.あずにゃんの夢、唯が本当に留年してしまう夢を見る、目覚めるあずにゃん、唯のアイディアノートをまた見て「あずにゃんLOVE」の内容に今度は引いてしまう

60.朝、ロンドン観光をするけいおん部一同、微妙にあずにゃんに避けられる唯

61. 挿入歌「Unmei♪wa♪Endless!」終わり、 トイレから出てくる一同

62.観覧車に乗ろうとするがビビりまくる澪、しかしいざ乗ってみると1番はしゃぐ澪

63.2日目のホテル、あずにゃん、唯に襲われると勘違いしてみぞおちに肘鉄を食らわしてしまう

64.勘違いしたあずにゃんを慰める為に子守唄を歌おうとするが自分が先に寝てしまう唯

65.その後、内緒で会議している3年メンバー、眠っていたあずにゃんが起きる

66.唯が内部扉を通って自分の部屋に戻る、とそこに寝ぼけたあずにゃんがやってきて唯と入れ違い

67.あずにゃんと唯、入れ違い、ぐるぐると部屋の間を回ってしまう、ホテルに電話がかかってくるがタイミング悪く切れてしまう

68.3日目あずにゃんの曲のアイディアが浮かばない唯

69.楽器屋に来ても曲の事を考えて心ここに在らずな唯

70.律にラブクライシスからライブに出てみないかと連絡がくる

71.ライブに出たいという唯、全員でライブに参加する返信メールを送る

72.飛行機の時間に間に合うかと心配になるメンバーたち「大丈夫だよ!」と唯

73.明日のライブの話し合いをするけいおん部、夜中何かアイディアが浮かびかける唯

74.次の日、ムギ自分のキーボードをロンドンに送っていた

75.ライブ会場でラブクライシスとあうけいおん部、屋外のステージで演奏することに

76.制服に着替えて、楽器のセッティングをする線を繋ぐのをビビる唯

77.サワちゃん登場、余ったマイルでロンドンにやってきたという

78.サワちゃんのくノ一コスを却下、ライブ開始、ライブ終盤に飛ぶ

79.ラスト1曲「ごはんはおかず」を演奏

80.赤ちゃんが鳥を見ている、その鳥が唯の目の前を飛んで行く、アドリブでリピートをかける唯

81.演奏終了「スカイハイ!」飛行機の時間ギリギリになり走る唯たち

82.タクシーで移動するけいおん部、あずにゃん疲れて眠ってしまう

83.唯、あずにゃんへの曲は特別な何かではなくいつも作っている自分たちの曲でいいのだと気がつく、帰国

84.帰国後の登校日、クラスメイトに卒業ライブを持ちかけられ、教室でライブをやりたいとサワちゃんに相談する

85.サワちゃん、自分たちも過去卒業ライブを教室でやった経験から形だけは反対する、私があの子たちを守るしかないと決意するサワちゃん

86.教室ライブにあずにゃんを誘う三年メンバー

87.最後の登校日、教室ライブを始めるけいおん部、生活指導の先生にライブを隠そうとするサワちゃん、がバレてしまう

88.最後の曲を演奏、登校してくる一般生徒たち

89.ライブの曲を聞いて教室に集まってくる先生や生徒たち

90.生活指導の先生も生徒たちの盛り上がりやサワちゃんの態度を見て見逃してくれる

91.ライブ後、後輩たちは授業をしている、誰もいない教室で椅子に座り佇んでいる三年メンバーたち

92.ムギが作ってきたあずにゃんに送る曲を試聴してそれを採用するメンバーたち

93.メンバーそれぞれ学外でも集まり、歌詞を持ち合って歌詞を完成させる

94.体育の授業で卓球をしながら先輩たちに何か隠し事をされている違和感をクラスメイトの憂と純に話すあずにゃん

95.部屋で完成した曲を練習する唯、が何かしっくり来ない

96.憂、唯の部屋にやってくる歌詞のノートを隠す唯、隠したノートが少し見えてしまうが知らないふりをする憂、唯、憂に卒業出来る事についてお礼を言う。

97.卒業式後、部室に向かう前に屋上に行く三年メンバー

98.4人寄り添ってあずにゃんに曲を送る緊張を語り合う

99.鳩が飛んで行く、それを見つめる唯、一方あずにゃんは教室で先輩たちに手紙を書いている

100.けいおん部の過去を振り返る三年メンバー、その中で「天使」のフレーズを思いつく

101.お茶を入れながら、音楽室であずにゃんを待つ三年メンバー

102.あずにゃん音楽室にやってくる、職員室で寄せ書きを見つめるサワちゃん

103.あずにゃん曲を聴きながら「そっか。」と今まで三年メンバーが何を隠してきたのかを悟る。三年メンバーたちが曲を作る情景。

104.曲を聴きいるあずにゃん

105.曲を聴き終わったあと立ち上がり拍手をするあずにゃん

106.卒業式後、三年メンバーたちは歩きながらこれからの事を語り合う、「そうだ、来年はどこ行く?」と駆け出す唯

107.唯「とう!」と先を歩いていたあずにゃんに抱きつく、おしまいの文字、エンディング曲

108.エンディング曲

109.エンディング曲

110.監督 山田尚子

構成について

今回の「劇場版けいおん!」は終わりから始まりまで短いものを合わせて始まりから終わりまで5構成に分かれています。

1.けいおん部はどんな部活か

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(0~約7分の約7分)
今作の主人公、平沢唯が朝目覚めるところから始まりバンドごっこをした後、お茶を飲む所でOPというかなり部活としてゆるゆるな部活であるという説明がなされます。

2.けいおん部、卒業旅行にロンドンへ行くことに

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(約7分~43分の約36分)
残される後輩のあずにゃんに曲を贈る話を計画するが話がズレて流れで卒業旅行にロンドンに行くことに決まります。

3.ロンドン入国、そして帰国

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(約43分~83分の約40分)
ロンドンに到着したけいおん部は旅行をエンジョイし2度のライブを経験、その中で唯ちゃんはあずにゃんに贈る曲の何かを掴み帰国します。

4.最後の卒業ライブ、そして曲の完成

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(約83分~105分の約22分)
ロンドンで掴んだアイディアを元に3年メンバーが協力をしてあずにゃんへの曲を完成させ、そしてその曲を贈ります。

5.卒業後の少しだけ先

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(約105分~110分の約5分)
3年メンバーの卒業式後、彼女らは来年への希望を語りながらEDに入ります。

プロットについて

この「劇場版けいおん!」のプロットですが、
卒業を控えた、けいおん部の3年生たちがロンドン旅行を通して、残される後輩あずにゃんの為に曲を贈る話となります。

この劇場版はテレビ版の「けいおん!」の番外編的な立ち位置にありテレビ版で描かれなかった卒業旅行やその少し先を描いた映画であります。
しかしテレビ版の再編集ではなく、冒頭のいかにけいおん部が個性的に、だらけているかという丁寧な導入から分かる通りファンに向けて、

テレビでは描かれていない新しい部分を描く気概のあるサービスが多い楽しい映画だったなと感じました。

後半はそんな劇場版の魅力を書いていこうと思います。

「ベイマックス」を1分ごとに区切って観てみた。後編

benio25250.hatenablog.com

 

ネタバレしかしていません。
観てない方は是非ディズニー映画の傑作、ドン・ホール監督作品「ベイマックス」をご覧ください。

物語としての工夫

物語の構造、キャラクター、内容の工夫を見てみます。

ベイマックスは何しにきたか?

ベイマックスは映画内では兄、タダシの死後その入れ替わる形で主人公、ヒロに関わってきます。
日常から離れた異物が少年の日常に関わる事によって少年の成長を促す話は日本では昔から愛されて来た物語です。

有名どころでは「ドラえもん」「オバケのQ太郎」
最近でいえば「妖怪ウォッチ」もその系統に入ります。

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独特な風貌で世界中で人気のドラえもん

ベイマックスは作られた目的が怪我などを治療するケアロボットです。
兄が死んだ後にやってくるケアロボットという設定だけで、よりメンタルに重きを置いた物語である事が分かります。

そしてこの物語で面白いのは中盤約60分の時点でヒロのメンタルのケアは完了するという所です。
約25分〜約60分の間ヒロは兄の死の真相を探るため、仲間たちと交流し、ヒーロースーツを作り、ベイマックスを改造します。
そしてベイマックスの飛行テストが終わった後にベイマックスはこう言います。

「ベイマックス。もう大丈夫だよ。と言われれば終了します。」

つまり、身体的にはヒロのメンタルはもう大丈夫になっているのです。

そこでヒロは
「まだダメだ」
とベイマックスの申し出を断ります。
兄の死を受け入れる事と、メンタルのケアを分けて考え、自立するまでベイマックスは離れられないのです。

 

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メンタルケアは「自立」するまでがメンタルケア

タダシはここにいます。

ヒロは仮面の男が事件の真相を掴んでいるとして、兄の死の真相が知りたいが為にベイマックスをガンガン改造します。

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思わず抱きしめたくなる私の体が台無しでは?
自分の魅惑のせくしぃーボディにこだわりのあるベイマックス

そして仮面の男の正体がキャラハン教授である事を知り酷く動揺します。

ベイマックスにとって最も重要なコアであるヘルスケアチップを取ろうとします。
タダシの死は善意の為に行動した結果招いたひどく理不尽な物であります。
しかし誰のせいにも出来ません。
その結果、ヒロは責任をキャラハン教授にぶつけ命を奪いかけます。

 

その絶妙なタイミングでタダシがベイマックスが何のために作ったかという初心に戻ります。
たくさんの人を助ける事になるぞ。たくさんだ。
タダシが死んでもタダシの思いはベイマックスがいる限り死にません。

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兄貴は死んだ!もういない!!

思いは死なない。

割と多用される手法ですが、描写が丁寧で心に響きます。


ちなみに僕はベイマックスがタダシはここにいます。と言い出した時、一瞬正義の為ベイマックスにタダシが己の意識を移植したのかと思いました。勘違いで良かった。

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悪の邪魔大王国を全滅させるという正義の為に己の意識をコンピューターに移植した鋼鉄ジーグの父、司馬遷次郎

ベイマックス。もう大丈夫だよ。

先にも書きましたが、ベイマックスはヒロが「ベイマックス、もう大丈夫だよ。」と言うまで、
自立するまで離れられません。

日常の中にベイマックスの様な異物が入り込む構造ではお別れによる成長が最もポピュラーです。

ドラえもんの例で言えば、別れを描く物語として有名なエピソードは
映画「帰ってきたドラえもん」いつまでも一緒にいられると思っていたドラえもんが未来へ帰らなければならなくなり、のび太は自立を迫られます。

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そこでのび太はいじめっこのジャイアンへの抵抗という形で自立を示します。

そしてドラえもんにはもう一つ自立の物語があります。

それは同人誌版「ドラえもん最終話」です。
この同人誌は漫画家の田嶋安恵さんが同人誌として描いたドラえもんの最終話で、
本物と見間違う程の出来の良さと、同人誌に二次創作物の著作権の問題として有名になった作品です。

ドラえもん最終話
http://www.geocities.jp/doctor_nobita/

ドラえもん最終話同人誌問題 - Wikipedia

この同人誌内ではドラえもんが電池切れを起こしてしまい、動かなくなってしまいます。
しかし本来記憶のバックアップを耳のパーツによって取っているため耳の無いドラえもん電池を交換すればドラえもんの記憶が無くなってしまいます。(※同人誌独自の設定です)
電池の取り替え方は開発者しかわかりません。

のび太は悩んだ末、動かなくなったドラえもんをそのままにしておいて、ドラえもんが記憶を維持したまま電池を交換する方法を見つけ出し、ドラえもんを復活させます。

今回のベイマックスはこちらのドラえもん最終話の構造に非常に似ています。

ベイマックスとのお別れはキャラハン教授の娘、アビゲイルを救いに行く事で起きてしまいます。
これはタダシがキャラハン教授を救いに行ったのと同じ構造で善意の為に動けば命を失うかもしれません。
そこでベイマックスは案の定、異次元の残骸からヒロとアビゲイルを庇いロケットが破損して動けなくなります。
ここでヒロは自立を迫られます。
そしてヒロは自立を選び
「ベイマックス。もう大丈夫だよ。」
とお別れをします。

その後、ヒロはベイマックスが遺したヘルスケアチップからベイマックスのボディを修復して、ベイマックスを復活させます。

ベイマックスは元々、兄タダシの作ったロボットです。
それが失われた時、自分で作り直す事でヒロはタダシからもベイマックスからも自立します。

この自分で作り直すという行為は現実社会でも自立を表す行為として現れます。
例えば、
結婚して子供を作るのも一度自分の家族の外に出て家族を作り直す。
勤めていた会社を辞めて独立するのも作り直す。

どちらにしても選ぶのは自分。
ベイマックスにもう大丈夫と言うかどうかはベイマックスは本人に選ばせるという形を取っています。 

ここがヘンだよ、ベイマックス

とはいえ、こんないい映画ベイマックスにもツッコミ所は結構あります。

ベイマックスはヒーロー映画?
ベイマックスはタダシが沢山の人を助ける為に作ったロボットです。
タダシの願いはベイマックスがヒーローとして人を助けるのではなく、むしろ量産されて一家に一台ベイマックスがいる世界です。
それにヒロたちのチームを組んだ理由は仮面の男を捕まえる事なのでヒーローを続ける目的EDにはなくなってしまっています。

そもそも邦題「ベイマックス」の原題は「BIGHERO6」です。

つまり元々ヒーロー物なものを宣伝などではヒーロー物は売れないからとあたかもそれを悟られないように宣伝していた売り方の問題なのかもしれません。

映画を観て想像していた内容との違いに驚いた方も多かったのではないでしょうか。
個人的にはED後にスタン・リーが出てきたら何にも言えません。
どう見てもヒーロー物でございます。

タダシの死は本当に事故だったの?
タダシの死は結局この話の中では事故だったのかどうか語られません、善意による理不尽な死であれば明確に事故である事を示さなければならないし、違うにしても何かしらのフォローを入れないと問題が宙ぶらりんのままです。

後半は科学でなくなる
初めは超技術にしても研究している描写や、ベイマックスがバッテリー切れを起こしたり、科学っぽい描写や制約があったものの後半は彼らのスーツや能力は制約が無くなり殆ど魔法になってしまいます。
チームで武器やスーツを開発しあってゆくヒーローはこの作品だけの貴重な特徴でピンチになった時、開発者ならではの科学の特性を活かした反撃が出来たのに、それがただのチームプレイになるのは惜しいです。

驚異的な愛おしさ、ベイマックスとその仲間たち

なんだかんだ言ってもこの映画の登場人物は非常にいい奴らで、愛らしいキャラばかりです。
それは細かいキャラのセリフや描写がテンポよく交わされる事で成り立っています。
例として各キャラの初登場シーンである、タダシがヒロを大学に連れてきた所を見てみます。

ゴーゴー登場、
ヒロに「科学オタクのラボへようこそと」ちょっとキツめに絡み、自分の電磁サスペンションの自転車を紹介、「この程度じゃダメ」と投げ捨てます。
約1分

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次にワサビ登場、レーザープラズマカッターを見せて、自分の揃えた工具がハニーレモンにばらされ怒ります。
約1分

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今度はハニーレモンがテンション高く絡んできて薬品の研究を見せます。
約1分

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フレッド登場、自分の趣味や発明の案を語ります。
約1分

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ベイマックスの登場、役割や機能、性能を説明します。
約2分

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キャラハン教授の登場、教授の壮大な理想に憧れヒロは大学に入学を決意します。
約2分

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たった約8分でこの映画に登場する主要人物がほとんど登場してどんな人物でどんな性格でどんな能力のある人間なのかが伺えます。
こういう仕掛けが細かく至る所にしてあるのです。
この魅力を見せる整理力が分かりやすさと楽しさを表現しています。

特にベイマックス。
ベイマックスは基本的にはダメロボットです。

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プログラム通りの受け答えしか出来ないし、動きも鈍い、電池が切れるとヘベレケになってポンコツになります。
しかし、人間に対して献身的で邪険に扱っても付いてきてロボットっぽくありながらひたむきさがある様に錯覚します。
更にヒロはベイマックスと交流や改造する事によって愛着を深めてゆきます。

鈍くてポンコツな動き+献身的なひたむきさ+愛着
=驚異的な愛らしさ
を兼ね備えるに至っています。

これらの細かい挙動が終盤のベイマックスとのお別れの悲しさに大きく響きます。

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激辛の手羽先を用意して
「さ〜て口から火を噴く準備はいい?明日は別の所が火を噴くほどかも」
ナチュラルに下ネタを入れてくる脇役の叔母さんまでキュートです。


見れば見るほどベイマックスは良く出来ています。

何より観た後、気持ちよく映画館を出られました。