映画を1分ごとに区切って観てみた。

映画の評論、研究を行うブログです

「劇場版魔法少女まどかマギカ新篇 叛逆の物語」を1分ごとに区切ってみた 前編

ネタバレしかしていません。

2011年にテレビ版が公開されてから有名人や一般層も巻き込んだヒットを飛ばした魔法少女まどか☆マギカの続編である「新編叛逆の物語」個人的にも大好きな本作を今回は取り扱います。

 

ミニッツライナー

 

1.ほむらのナレーションから始まる。あの懐かしい笑顔と再び巡り合う事を夢見て…

2.ナイトメアを追いかける魔法少女のまどか

3.ナイトメア浄化の歌、まどかの笑顔、ティヒ!

4.まどか目覚める

5.まどか朝食を食べる

6.まどか家族と雑談、転校生が来るんだって!

7.まどか登校

8.OP開始

9..OP終了

10.まどか、さやか、杏子、3人で登校
11.先生、教室で世界の終わりについて語る

12.ほむら転校してくる

13.マミ、ほむら、まどか、さやか、杏子で自己紹介、魔法少女である事を明かす

14.時間が1ヶ月経つ、ほむらとまどか2人で話す。

15.ほむら「こうしてまどかと過ごせるのをずっとずっと待ってた気がする」

16.ワカメと上条くんが電話をしている、ワカメ上条くんをデートに誘う

17.ワカメ、ナイトメア化

18.ナイトメア出現、マミさん出動

19.さやかと杏子合流、上条くんの号から解放されたさやか

20.魔法少女変身!

21.変身中…

22.変身完了!ピュエラマギホーリークインテット!戦闘開始

23.チームプレイを活かした攻撃 

24.ケーキの歌が開始、ケーキ♪ケーキ♪

25.べべに悪夢を食わせる

26.ワカメ浄化

27.お茶会(打ち上げ)をしに全員でマミさんの家に帰る

28.登校中、違和感を感じ始めるほむら

29.昼食を食べるほむらとまどか

30.今の世界は幸せである事を話し合う

31.杏子に相談するほむら「何かおかしいと思いませんか?」

32.記憶が曖昧な杏子

33.風見野市へ行ってみませんか?街の外へ確かめに行く 

34.風見野へバスで向かう

35.風見野市へ辿り着けない

36.何度やっても風見野市へ辿り着けない

37.歩いても風見野市へ辿り着けない

38.街の異常が確信になるほむら

39.ほむらメガネを外してVer2ほむらへ、杏子「そっちの方がしっくりくるくらいだ」

40.魔女の事を思い出すほむら

41.魔女もまどかも完全に思い出すほむら

42.魔女の語り、魔女は魔法少女の成れの果てである

43.マミさんの部屋、べべを疑うほむら

44.マミさん「もう肩の力を入れる必要がなくなった」パートナーを得てTV版の業からは解放されたマミさん

45.マミさん「私が望んでた世界なのかもね」

46.時間を止めべべを尋問するほむら

47.マミさん、ほむらを止める為、立ちはだかる

48.べべを逃がそうとするマミ

49.戦闘開始マミさんVSほむら

50.銃弾が飛び交う戦闘、ほむら「根競べなら負けない!」いちいち気の利いているセリフ

51.ほむらとマミさんの息遣い、お互い疲弊している、時間が一度動く

52.マミさん「埒があかないわよ」自分の頭を撃とうとするほむら、スキを突いてマミさんを止める事に成功

53.マミさんを撃とうとするが撃てない、マミさんの足を打つ

54.弾丸がマミさんに当たった瞬間、マミさんリボンに変化、捕まってしまう、会話の中で記憶の食い違いに気づくマミさん
55.人間態のべべが登場

56.さやかに助けられるほむら

57.さやかとほむら会話をする

58.それってそんなに悪い事なの?さやかに問われるほむら

59.魔女化して導かれたさやかやべべが存在する事がおかしいと気付くほむら

60.時を止めるがさやかに逃げられるほむら

61.ほむら、今までの整理をする

62.ほむら「戦いづつけなければならない、それが奇跡を願った対価」

63.ほむら、まどかに会いに行きまどかが犯人でない事を確かめる、まどか「ひとりぼっちになっちゃだめだよ」

64.私だけがまどかを覚えているのは辛い、寂しい、ほむらの独白

65.私にそんな辛い決断出来ないよ、まどかの独白

66.まどかを犠牲にすべきではなかった。ほむら、まどかが髪を結って戻そうとする事を拒否する

67.あなたは本当のまどかだわ、まどかの疑いが晴れる

68.ほむら、杏子に電話最後の確認

69.これで分かったわ…魔女の正体が分かるほむら

70.ほむらバスに乗りソウルジェムを手放す

71.壊れ始める世界

72.「私が魔女になっていたなんて!」自分が魔女であった

73.キュウべぇ話始める

74.キュウべぇ、ほむらを現実から遮断して魔女化させていた

75.「ここはね、ソウルジェムの中の世界」
ネタばらし

76.神まどかは遮断された世界でもほむらを救おうとしていた

77.「この宇宙と一切因果関係のない存在鹿目まどか」まどかへの興味が尽きないキュウべぇ

78.まどかに助けを求めるといい」しきりにまどかを呼び出させようとするキュウべぇ

79.キュウべぇの目的はまどかを観測して支配することだと分かる 
80.ほむらは導かれる事によってまどかは観測される「そんな幸福は求めてない!」

81..ほむら遮断フィールドの中で魔女化して魔法少女に倒される事によって消滅する事を選ぶ

82.魔女になってゆくほむら

83.魔女化し自分の中の絶望を知る

84.魔女となって暴れるほむら、キュウべぇほむらを倒す事を阻止しようとする

85.魔法少女たちと魔女ほむらとの戦闘

86.さやかとべべ、円環の理の使者である事を明かす

87.さやかとべべはまどかに記憶を返す事が使命だった

88.魔女ほむらとの戦い「私はこの世界で死ななきゃならないの!」

89.杏子とさやかの会話、お別れを言い合う

90.杏子とさやか2人タッグでの戦闘

91.遮断フィールドが崩れてゆく

92.魔法少女のまどか「ひとりぼっちにならないでって言ったじゃない」

93.「もう私はためらったりしない」何かの覚悟を決めたほむら

94.遮断フィールドが破壊され現実へ戻ってきた一行

95.神に戻ったまどか、ほむらを導こうとする

96.「この時をずっと待ってた」まどかを取り込もうとするほむら

97.「もう2度とあなたを離さない」ほむら、まどかを引き裂いてしまう

98.世界を書き換えるほむら

99.まどかの為に戦い続ける事が愛であると気付くほむら

100.自分を悪魔と自称するほむら

101.キュウべぇ人間は制御出来ないと悟るが悪魔ほむらに捕まってしまう

102.登校するマミさん、前とは少し変わった世界になっている

103.使者としての記憶が消え人間になり始めるさやか

104.話しながら、使い魔にトマトをぶつけさせるほむら

105.人間になるさやか、上条と付き合うワカメに嫉妬するが強がる

106.転校してくるまどか、学校を案内するほむら

107.廊下を歩くほむらとまどか、「あなたはこの世界が尊いと思う?」

108.円環に戻ろうとするまどか、それを必死で止めるほむら

109.まどかにリボンを返すほむら、「私はあなたが幸せになる世界を、望むから」

110.変わった世界でさやかと杏子と下校、マミさんはべべと買い物、まどかは家族と過ごしている

111.ED開始、左半分がまどか、右半分がほむら

112.まどか側の背景が野原、ほむら側の背景が街になる

113.画面に手が出てきて繋ごうとするが逸れる

114.ほむら側の街に雨が降り始める

115.まどかとほむら手を取り合って走ってゆく

116.半分のイス、半分の月、やたらと半分が強調される場所で踊るほむら、ボロボロになっているキュウべぇ
おわり。

構成について

まどマギの映画を観た感想で分かりにくかったとよく耳にしますが、構成だけ抜き出してみると整理されています。

1.主人公ほむら世界に作られた世界に違和感感じる。

(約0~30分の約30分)
大体120分のエンターテイメント映画は約30分毎で何かが起きていると言われていますが、叛逆の物語の場合は
約30分でほむらが閉じ込められた世界に違和感を感じその謎を解こうを動き始めます。

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2.ほむら、実はこの作られた世界を作り出しているのは自分だったと気づき魔女化する

(約30分~70分の約40分)

ほむらがきゅうベェに隔離され、自分が魔女になりかかっていることに気づき、魔女となりまどかたち魔法少女に倒される事によって滅びる道を選びます。

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3.ほむら悪魔化、世界を書き換えてしまう

(約70分~95分の約25分)

ほむらが悪魔化、神になったまどかの一部を引き裂いて強制的にまどかの一部を人間に変え、人間としての幸せを選ばせます。

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ED後

最後に変わった世界で1人で踊る世界で1人で踊るほむら、ボロボロのキュウべぇとお見送りまである。(映画のこのお見送りは漫画で言う所の表紙裏のオマケ漫画みたいで物にもよるけど僕は好きです。)

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 プロットについて

話の流れは一つは娯楽映画としては作られた世界があり、その世界を作ったのが誰なのかを話の推進力にしつつ、その結果どんな意外な結末を迎えるのか!?
という流れを取っています。

どっかのビューティフルドリーマーみたいな話ですね。

 

物語としてはテレビ版(または劇場版2作)で魔法少女が魔女になることがなくなり、神になる前のまどかを唯一知るほむらが、自分を犠牲にして、まどかにほむら自身がの望む幸せを与える話です。

この映画ですが構成はすごく上手いと僕は感じます。

例えば、冒頭ほむらのナレーション
「悲しみと憎しみばかりを繰り返す、この救いようのない世界で…あの、懐かしい笑顔と、再び巡り会うことを夢見て…」からナイトメアの歌に繋がり、まどかのティヒ♪という笑顔に繋がる。
冒頭約3分、たった3分でこの劇場版がどんな話で、誰が何を求めている話なのかを映像で演出をしてるあたりこの映画の信用出来る感が素晴らしいです。
正直シビれます。

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この映画は誰が何を求める映画なのか




次に気になったのは各登場人物の目配せの上手さです。
端的に言えば愛があります。

今回まどマギの中では時間はほむらの内面描写にかなり時間を割かれています。
しかしながら各魔法少女のTV版、前劇場版の因縁に対して無かった事にせずに続編として引き継いで描写されています。

例えば、さやかちゃんの場合は円環の使者としていた時は「人生経験の差だからね〜」と上条くんとの恋沙汰に関する因縁は昇華された状態にありますが、物語が進んでほむらが悪魔化して人間に戻って来てしまった時は昇華したはずの感情が戻って来て上条くんとワカメのカップルの前で強がりを見せるという描写がありきちんと物語が進んだ事による変化を描いています。
更にマミさんで言えば、ひとりぼっちで戦っていた事に問題を抱えていたのがべべの出現によって救いを得て、更にほむら悪魔化以後ては、人間になったべべと買い物をしています。
杏子もTV版、前劇場版では魔女化して話の通じなくなったさやかと滅んでしまいましたが、今回はきちんとさやかにお別れと言っていますし、ほむら魔女化以後では改めてさやかと友達になっています。

セリフにしても散々時間移動で戦い続けてきたほむらが「根競べなら負けない!」と言っていたり、杏子がさやかに「胸くそ悪くなる夢を見たんだ。あんたが死んじまう夢を」と言っていたりいちいち気が利いています。

 

混乱の理由は何か?

この叛逆の物語の一番の混乱ポイントはほむらの悪魔化でしょう。

ほむらは後半、魔女化して一旦滅びを選びますが、その直後に悪魔化してセリフとしても「ずっと待っていた」とあたかも計算していたかの様な事を言います。話が飛んでる訳です。

この論理の飛び具合に「ああ…やっぱりな」と共感出来るか「んん~?ちょっとまって??」となってしまう化によって極端に評価が分かれる作品になってしまった訳です。

 

後半はその問題を含めた叛逆の物語の考察を書いていきます。

 

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