映画を1分ごとに区切って観てみた。

映画の評論、研究を行うブログです

ルパン三世カリオストロの城を1分ごとに区切ってみた。後編

ネタバレしかしていません。
未見の方は是非、今やスタジオジブリで不動の地位の築いた
日本アニメ界の天才宮崎駿の初監督作品をご覧になってください。

前編はこちらです。


ルパン三世カリオストロの城を1分ごとに区切って分析してみた。前編 - 映画を1分ごとに区切って分析してみた。

見どころと考察

後編は主観的に見どころと考察を書いていきます。

なんでこんなに面白いか

カリオストロの城はルパン三世の映画の中でも非常に人気があります。
それは一重に単純明快で面白いからではないでしょうか。
その面白さの一片でも分析出来たらと思います。

 ピンチが非常に多い

まず冒頭、クラリスが花嫁姿で追手から逃げるカーチェイスのシーンを見てみましょう。

タイヤを銃で狙う次元にクラリスの車のドアが外れ飛んできます。危ない。

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再度、次元はタイヤを狙うも今度は対向車のバスが突っ込んできます。危ない。

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次元タイヤを狙うものの特殊なタイヤで弾を弾いてしまいます。そこに追手の手榴弾が。危ない。

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ルパン、車を敵の前に着けるため壁走り、雑木林に突っ込んで無理やり近道をします。危ない。

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近道をして車を追手の前に着けたはいいものの機関銃で銃撃されます。危ない。

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徹甲弾で敵のタイヤを破壊、追手は撒いたもののクラリスが気絶、クラリスの車のハンドルを取るため車に飛び乗ります。危ない。

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ハンドルを取ったと思いきや目の前のロードローラーに激突。危ない。

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ボロボロになったクラリスの車はそのまま崖から落下、危ない。

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ルパン、間一髪でロープを根に引っ掛けて脱出、が根が崖から外れるルパン落下、根が頭に激突、ルパン気絶というオチがつきます。

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 クラリスを追手から助けるという1つのシーンでこれだけ命の危険、つまりピンチがあります。

しかもこの映画は全編通して何かアクションが起きる度にこれでもかとピンチを挟んできます。

ここまで娯楽的なアクションに徹すると最早天晴です。

快感に基づいたサービス

更に映像の演出として素人目にも明らかの様にやりすぎな程デフォルメされています。

冒頭モナコカジノのゴート札をバラ撒くルパン

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流石に多すぎる!

結婚式の為、クラリスを迎えに来た伯爵

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おててが長ーい!

しかし実写で不可能な分こっちの方が気持ちいいことも事実です。
この快楽原則のサービス精神が面白さに拍車をかけています。

ちなみにルパンのゴート札の解説に登場するナポレオン、史実に沿ってちゃんと背が小さい

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芸コマです。

快男児ルパン三世

僕は個人的にカリオストロの城が一般的に認知されてしまった為、これ以後のルパン三世のイメージに大きく影響を与えたのではと考えています。

では、この映画だけに絞ってみるとルパン三世はかなりの快男児(快おっさん?)であります。

前に書いた通り命の係っているハズのピンチが連続しているのも関わらず、あまり深刻にならないのはカリオストロルパンの高いテンションとおちゃらけた態度の賜物です。

穴に落とされボロボロになっても余裕と笑顔を絶やさないルパン

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次元もどんどん状況が危うくなって来ている中、「面白くなってきやがった」と2度もセリフでいう辺りかなり意図的だと推測できます。

しかし考えて見るとこの映画のルパンもセリフからするにルパンは恐らく人殺しも厭わない程の悪事を働いた事があるハズだし、

クラリスにも伯爵から「もう男を引きこんだかカリオストロの血は争えんな」と言われている辺りもしかしたら、クラリスの母または先祖は、その美しさで公家に取り入ったのかもしれません。

そこはあえて語らず分かる人間が後で考えてじっくり味わえる余韻も与えてくれているのもこのサービス精神の憎い所です。

ルパン三世とクラリスの恋愛

ルパンは基本的にはクラリスを子ども扱いしています。
言葉も優しい言葉を選んでいるし、例えも泥棒と悪い魔法使いという解りやすくて幼稚な物語をわざわざ選んでいます。

手品でクラリスの気を引くルパン

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男女の対等な関係ならばお花でポン!で万国旗はしないですよね。

しかし面白いのがラストでルパンはクラリスを抱きしめ、受け入れそうになってしまいます。

好きになりかけて葛藤するルパン

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耐えろ…!ルパン…!いくら国際指名手配犯とはいえ犯罪になってしまうぞ…!

最後なんとかクラリスの申し出を断り、キスをせがまれてもおでこにしてあげる、あくまで親戚の頼れるおじさんのポジションを取ってくれました。
良かった良かった。

みんな大好きクラリス・ド・カリオストロ

この映画内の悪党含めた各キャラクターの挙動一つ一つが素敵ですが、特にクラリスの挙動は特に素敵です。
修道院に入っていたという設定だけあっていい感じで世間知らず。16歳にしてルパンを泥棒さん呼ばわりです。

ルパンの無事を絵に描いた様に(ほんとに絵に描いてあるんだけど)胸を撫で下ろすクラリス

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ルパンの置いていった花を大事そうに胸に抱くクラリス

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なんて健気!なんて純真!
恐ろしい事にこの映画では彼女に当てられると、みんなメロメロになります。

次元も五右衛門もメロメロ

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最後には遂に警官隊までメロメロに!

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ちょっと待て、お前らはクラリスと劇中一切関係ないだろ!いい加減にしろ!


こんなに内容詰め込んだ映画を4カ月で作ったそうだからやっぱりすごい。

何度観ても面白いです。

来週今作監督を務めた宮崎駿が引退作品「風立ちぬ」がテレビで初公開されるそうですが、引退作であのような映画を作る事になると当時誰が予想出来たんでしょうか。

 

ということで次は宮崎駿監督の引退作であり最新作の「風立ちぬ」を1分ごとにに区切ってみたいと思います。

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