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映画を1分ごとに区切って観てみた。

映画の評論、研究を行うブログです

「風立ちぬ」を1分ごとに区切って観てみた。後編

ネタバレしかしていません。

未見の方は、日本を代表するアニメーション作家宮崎駿の長編映画引退作を

是非是非ご覧下さい。


「風立ちぬ」を1分ごとに区切って観てみた。前編 - 映画を1分ごとに区切って観てみた。

個人的な感想と見どころ

個人的に心に残ったところや、好きなシーンを紹介します。

冒頭の夢

この映画でお気に入りのシーンは冒頭の約4分、少年の二郎が夢の中で理想の飛行機に乗って空を飛ぶところです。
その中では彼は自由自在に飛行機を操り、女の子にもモテモテで、敵が出てきたら勇ましく戦いを挑みます。
しかしいざスピードをあげようとレンズを目にかけると現実のメガネがググッと顔にへばり付きます。
彼は夢でさえ飛行機の操縦士にはなれないとわかってしまっている

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目覚めた時の悲しそうな顔がなんとも言えません。

実は自分もたまにプールで自由自在に泳ぐ夢を見るのですが、必ずターンするところで自分がカナヅチであることを思い出して沈んでしまいます。

ほとんど狂人、堀越二郎

二郎の行動で一番好きなシーンは秘密警察から隠れている最中に電報で二郎の元に菜穂子が喀血で倒れたと知らせが届くところです。
ここで二郎は涙を流しながら黒川宅を飛び出します。
が、その移動中なんと二郎は仕事をしているのです。泣きながら。
こんな時に仕事してんじゃねーよ!だが、気持ちはすごくよく分かる

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ここまで来るともう狂気なのですが、白状してしまうと自分もこういうところがあります。
男性にはこの気持ち分かる方が多いのではないのでしょうか。
ちなみに女性にここの二郎にすごく共感すると言ったら引かれたので公言するのはオススメ出来ません。

薄幸の肉食系女子、菜穂子

先ほどは二郎の人間的な点を挙げましたが、実は二郎の妻、菜穂子の好きなところは二郎に対するアプローチです。
初め菜穂子とお絹に出会った時実はお絹の方に気があります。
それは、学校にシャツが届けられた時、お絹をイメージして学校を飛び出す所からもわかります。

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そして2人は再会するわけですが、菜穂子は頭のいい女性らしいので二郎がお絹に気があることを気がついています。

その証拠に相合傘をしてチャンスと見て、二郎が好きであろうお絹がすでに結婚して子供が2人いてもう望み薄であることを伝えまくります。

「お絹に教えてあげなきゃ、あの人この前2人目の赤ちゃんを産んだんですよ、とてもかわいい赤ちゃん」

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雨が上がり、虹を見たあと速攻で親に紹介

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この流れる様な間の詰め方素晴らしい。

他にも

レストランで1人で食事を取る二郎を見つけ目がキラリと輝く

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病院から無断で手ぶらで飛び出して「私すぐ帰ろうと思ったの」と言い、二郎の「帰らないで」の言葉にニヤリとする菜穂子

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菜穂子はこの努力の結果、二郎を捕食結婚するのです。

二郎ゲットだぜ。やったね菜穂子。

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物語としてはそれだけ菜穂子は余命が少ない事に焦っていたのでしょう。そこに二郎という理想の男性を見つけた訳ですからそりゃあらゆる手を尽くします。

 二人の愛

この二人の愛ですが、二郎は黒川さんに「君のはエゴなんじゃないのかね」と言われた通り、間違いなくエゴであります。
妹が再三言う通り、菜穂子は山で療養すべきだし、本当に菜穂子と長い時間を過ごすのなか二郎も仕事の時間を少し考えるべきでしょう。
そこを「覚悟は出来ています。」
と突っぱねるあたり最早、間違っていてもなにも言うことはない、この状態は現実でもこの様な選択と結果は往々にしてあると思うのです。

伝染する病気なのに離れない女とその隣でブカブカタバコを吸う男

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もうここまで来ると二人が決めた事を誰が文句を言えるんだろうか?

 おわりに

この映画が公開された時、周りの映画好きの友達とこぞってこの映画語り合いました。
自分はこう見えた、ここの解釈はこうだろうと言い合うその体験は映画を観ている時よりも楽しく有意義な時間でした。
僕はそんな時間こそが映画そのものの深いテーマや優れた映像技術と同様に価値のあるものであると思っています。
今回、風立ちぬテレビ初公開という事なのでより多くの人があーだこーだ、あそこはこうだここはあーだと、この映画をみて楽しい時間を過ごして欲しいです。

 

個人的に好きなシーンを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

コメントやTwitterなどでご感想頂けると嬉しいです。

 

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